実践を研究する

ある研究者の方から,「日常的な教育実践を、教育に還元する研究として、どう一般化し理論化していくのか、最近ずっと考えています」というメールをいただきました。これは,思考力育成教育だけに限る話ではないのですが,大学生の知的成長という私の研究とも関係すると思いますので,私が書いたことをここに載せておきます。

実践や実践研究を行なっていない私が偉そうなことをいうのもどうかとは思いますが,大学生の考え方(批判的思考)の変化を縦断的に追った研究をやってみて感じたことは,同じ教育を受けても,それをどう受け止めるかは,本当に学生一人一人によってまるで違うということです。もしそうであれば,まずは,一人一人の受け止め方や変化を丁寧に記述するところからはじめないといけないのではないか,と私は思います。それが一般化や理論化につながるのか,と聞かれると,何も答えようがないのですが。