PISA型読解力

明治図書の「現代教育科学」2006年9月号の特集は「PISA型読解力は何を示唆するか」です(http://www.meijitosho.co.jp/zasshi/shosai.html?bango=01600)。

PISAでの読解力(reading literacy)の定義は「自らの目標を達成し,自らの知識と可能性を発達させ,効果的に社会に参加するために,書かれた文章や資料を理解し,利用し,熟考する能力」というものなのですが、これをはじめて耳にした時、ほとんど批判的思考と重なるんじゃないの?と思ったものです(たとえばEnnisの定義は「何を信じ何を行うかの決定に焦点を当てた合理的で反省的な思考」です)。ということで買ってみました。

が、中身は私にとってはイマイチでした。たとえば、上述の定義を紹介している論者は8人もいるのですが(一人でいいのに)、具体的なテスト問題に触れているのは二人しかいないのです。読解力を概念レベル(+個人的考え)のみで論じている議論が少なからずありました。ということで、私の期待とはかなり異なる内容の特集でした。