ジェネリック・スキルとしての批判的思考

とある方に,「ジェネリック・スキルとしての批判的思考」という考え方があることを教えていただきました。知らない概念でしたので,ネット上で調べてみました。

神戸大学の川嶋教授の論考です。このページには,ジェネリック・スキルについて,次のように説明があります(強調は引用者)。

ジェネリック・スキルは「転移可能スキルTransferable Skills」とも呼ばれ、創造性、柔軟性、自立性、チームワーク力、コミュニケーション力、批判的思考力、時間管理、リーダーシップ、計画性、自己管理力など、特定の文脈を越えて、さまざまな状況のもとでも適用できる高次のスキルのことである。

このような汎用能力を伸ばすことで学生の雇用可能性を高めよう,ということで,イギリスでは大学関係者の関心を呼んでいるようです。

経済産業省が平成17年7月,産学官からなる有識者を集めて「社会人基礎力に関する研究会」を設置したのだそうです。上記のページはその報告書です。世界各国での社会人基礎力に相当する能力が挙げられており,オーストラリアの"Generic skills"が紹介されています(p.2)。その測定のためにオーストラリアでは,下記の内容のテストを開発したのだそうです(強調は引用者)。

産業界からの要望を受け、連邦政府が、批判的思考力(critical thinking)、課題解決力、対人関係力(interpersonal understanding)、コミュニケーション力の4分野を対象とした試験(「The graduate skills assessment(GSA)」)を開発。(p.10)

このテストは現在,ほぼすべての大学で導入されているのだそうです。すごいですね。