意思決定について(1)

最近,「意思決定」というものを自分の中で位置づけようと考えているのですが,なかなか考えがまとまらないので,久々にこの場をメモ代わりに書いていきたいと思います。

まず確実にいえるのは,「意思決定(decision making)とは,ある複数の選択肢(alternative)の中から,1つあるいはいくつかの選択肢を採択すること」*1だということです。これは,意志「決定」ということばの意味から考えても,問題ない部分でしょう。

次に言えそうなのは,意思決定は学問的には経営学や心理学などで研究されているようですが,そこで主に焦点が当たっているのは,やはり「選択・決定」部分だということです。たとえば,どのように決定するのが合理的な意思決定になるのかという規範的な研究,人はどのように意思決定をしているのかという記述的な研究,情報の複雑性や不確実性・人間の認知能力の限界から,そもそも合理的な意思決定はきわめて難しいのだとする研究,あるいは過去の事例から,いかに不合理な決定がなされたのかを検討する事例研究などがあるようです(もっと他にもあるのでしょうが,あまり詳しくないので……)。

そしてもう一つ言えるんじゃないかなと思っているのは,意思決定関連本はビジネス系のものが多いのですが,決定部分に焦点を当てている本はあまりないのではないかということです。意思決定前後の,目的・目標設定から,決定後(実行中)のプランの改善まで,意思決定を,一連のプロセスとして捉えているような気がします。なかには,意思決定の中核に位置するはずの選択・決定部分についてはほとんど焦点が当たっていないものもあるようです。

とりあえずはこのようにまとめてみたうえで,手持ちの意思決定本について,検討していきたいと思っています(時間と気力が続くといいのですが,久々のブログということもあって,どうなることやら……)。

*1:竹村和久 (1996) 意思決定とその支援 市川伸一(編) 認知心理学4 思考(pp. 81-105) 東京大学出版会, p.81