イノベーションのジレンマ

どうも,「ピンチをチャンスにする」話よりも,「チャンスだったものが,時を経てピンチに変わる」話の方がよく引っかかってきます。

孫引き的になってしまいますが,ハーバード大学ビジネススクールのクリステンセン教授が,イノベーションのジレンマという概念を提唱したのだそうです。本書では,次のように紹介されています。

それは,「成功企業はそれがために時代の流れに乗り遅れることがある」というものだ。多くの識者が提言する顧客志向がまさに原因になって,時代遅れになってしまうのだ。

例として,5インチハードディスクでトップであった会社の話が出てきます。その後,3.5インチハードディスクが出てきたけれども,当初,製品の性能も低く,また市場規模も小さかったため対応が遅れ,トップの座から落ちたというのです。
まさに,現在のチャンスによって将来のピンチが招かれている例ですし,前に紹介した日本軍の例も,企業の話ではないけれども「イノベーションのジレンマ」と呼んでよさそうですね。