スポーツ選手(監督)のピンチとチャンス

なかなかいい事例がなくて間が空いてしまいました。今回見つけたのはこれ。

そのとき選手が変わった! (中経の文庫)

そのとき選手が変わった! (中経の文庫)

この本には何人ものスポーツ選手が取り上げられているのですが,ここでは,元千葉ロッテの監督のボビー・バレンタインについて書きます。
彼は,ロッテを31年ぶりのリーグ優勝に導いたり,ニューヨークメッツをワールドシリーズに導いたりしています。その彼の活躍の一端は,「事故」にあるのだそうです。

そのきっかけは23歳のときに遭遇した事故にある。メジャーリーガーとして将来を嘱望されていたにもかかわらず,あるゲームで,外野フェンスに激突して右足を骨折。故障者リスト入りをして,ポジションをチームメートに奪われる。
結果的には,この事故によりさまざまなポジションを経験することができ,それが監督としての資質を高める上で役立った。

なるほど,事故にあって経験の幅が広がったということのようです。

もちろんこれがすべてではありません。この本にはバレンタイン監督の素敵な言葉がたくさん紹介されているのですが,一つ挙げるなら,こういうものがあります。

カギとなるのは,試合中の次のプレイについて語ることです。…〔中略〕…監督は起こってしまった結果ではなく,次のプレイをアドバイスするのです。このことが選手を指導するカギだと思っています。

こういうこと,一見当たり前のことのようですが,案外行われていないのではないかと思います。

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ちなみにこの本に紹介されている他のスポーツ選手でいうと,ラグビーの元日本代表監督である平尾誠二氏の言葉も,次のように紹介されています。

プレーヤーとして私は恵まれた素質をもっていたわけではなかった。…〔中略〕…肉体的な素質に恵まれなかった分,考えること,判断力を磨いてきたのだ

これもなるほど,と思える記述ですね。