戦後日本のピンチとチャンス
ピンチはチャンス,チャンスはピンチ(?)といいます。そういう事例を集めたいので,記録することにしました。
- 作者: 五百旗頭真
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2013/01/28
- メディア: Kindle版
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まずは「チャンスがピンチに」なった例として,90年代以降の日本についての考察がありました。
なぜ日本は,外交においても政治においても,時代の変化に対応できなかったのでしょうか。その背景には,日本は八〇年代にあまりにも成功しすぎたということがあると思います。成功したが故に変化を嫌う。成功したがために,次の局面に機敏に対応できない。
続けて,まったく同様の例として,日露戦争に勝ったが故に,「朝鮮半島から大陸にかけて軍事的な進出を果たし,権益を確保する」というやり方に固執してしまい,それが第二次世界大戦敗北まで続いたといいます。
逆に80年代に成功したのは,70年代が危機の時代だったからだといいます。
オイル・ショックによって石油の確保がままならないならば,石油を食わない燃費効率のいいエンジンをつくろう。公害が大きな社会問題であるならば,脱硫装置付きの発電機をつくろうとか,いろいろな開発,発明が盛んに進められました。
そういう話はプロジェクトXなんかでもたくさんありました。そういう時代でもあったんですね。