心理学的な見方・考え方とは?

次期学習指導要領には,その教科ならではの「見方・考え方」が,学びの深まりの鍵として出てきます*1。しかし,どうもピンときません。そこで,まずは自分の専門分野である心理学でいうと,見方・考え方って何になるのかを考えてみました。今回考えるヒント…

秀吉のピンチとチャンス

今回は,豊臣秀吉の「ピンチがチャンスになった」話を見つけました。NHKさかのぼり日本史(7)戦国 富を制する者が天下を制す作者:小和田哲男NHK出版Amazonこういう記述がありました。 秀吉にとっての「国」とは領地(分国)のことではなく,最初から…

イノベーションのジレンマ

どうも,「ピンチをチャンスにする」話よりも,「チャンスだったものが,時を経てピンチに変わる」話の方がよく引っかかってきます。勝ち組企業のマネジメント理論 (角川SSC新書)作者: 大坪亮出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川マガジンズ発売日: 2013/04/04…

太平洋戦争におけるピンチの源

戦後日本のピンチとチャンスのところで,「日露戦争に勝ったが故に,「朝鮮半島から大陸にかけて軍事的な進出を果たし,権益を確保する」というやり方に固執してしまい,それが第二次世界大戦敗北まで続いた」という例を挙げましたが,そのあたりのことに触…

スポーツ選手(監督)のピンチとチャンス

なかなかいい事例がなくて間が空いてしまいました。今回見つけたのはこれ。そのとき選手が変わった! (中経の文庫)作者: 児玉光雄出版社/メーカー: KADOKAWA / 中経出版発売日: 2013/10/21メディア: Kindle版この商品を含むブログ (1件) を見るこの本には何…

戦後日本のピンチとチャンス

ピンチはチャンス,チャンスはピンチ(?)といいます。そういう事例を集めたいので,記録することにしました。NHKさかのぼり日本史(1)戦後 経済大国の“漂流”作者: 五百旗頭真出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2013/01/28メディア: Kindle版この商…

プロゲーマーの思考

kindleで,この本を読みました。勝ち続ける意志力 (小学館101新書)作者: 梅原大吾出版社/メーカー: 小学館発売日: 2012/04/02メディア: 新書購入: 24人 クリック: 449回この商品を含むブログ (75件) を見るといっても,読んだのは数年前なのですが……。気負う…

ホームベーカリーで焼いたパンの耳を柔らかくするには?(2)

「ホームベーカリーで焼いたパンの耳を柔らかくするには?」という記事を書いてから2年近く経ってしまいました。その間,途切れることなく週3回はパンを焼いています。実は前のエントリーを書いたのはほとんど忘れていたのですが,現在はこういう状況とな…

グラウンデッド・セオリー・アプローチ

質的研究法は,やりたいと思いながらもなかなか手を出せずにいます(卒論生にはその真似事のようなことを,あまり厳密性を重視せずにやらせていますが)。しかし,どうもやらざるを得ない状況になってきたので,改めて,論文を探したり過去に購入した本に目…

ホームベーカリーで焼いたパンの耳を柔らかくするには?

ホームベーカリーを買いました。私の希望で買ったので,焼くのは毎日私がやっているのですが(今日で3日目),ホームベーカリーって,いろいろと工夫が可能(というか必要)なものであることが分かってきました。それは,イーストという「ナマモノ」を使う…

誕生日ケーキ

数日前が下の娘の誕生日だったので、スポンジケーキを焼きました。妻が三枚におろし、デコレーションもしました。イチゴは出回っていなかったので、缶詰のフルーツで飾りました。

ティラミスを作った

上の娘の誕生日だったので(3日前だけど),ティラミスを作ってみた。 ティラミスを作るのは初めてだし,うまくできていると言えるのかどうかよくわからないのだが,家族には好評だったので,まあよしとしよう。

『由布院の小さな奇跡』

KINDLE本を買いました。由布院はかつて(昭和30年ごろ),平日の旅館には宿泊客がほとんどいないようなところだったそうです。そのような土地がどのようにして変化したのか,について書かれた本です。由布院の小さな奇跡 (新潮新書)作者: 木谷文弘出版社/メ…

『試練が人を磨く』

KINDLEで買って読んだ本です。桑田氏が(現役時代に多くの人が持っていたであろう)ネガティブなイメージと違い,非常にまじめで,かつ前向きな人だということが良くわかりました。試練が人を磨く 桑田真澄という生き方 (扶桑社文庫 く 8-1)作者: 桑田真澄出…

『僕の野球塾』

町立図書館で借りてみました(現在は文庫本も出ているようです)。僕の野球塾作者: 工藤公康出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/03/29メディア: 単行本 クリック: 6回この商品を含むブログ (9件) を見る特に何かの期待があったわけではないのですが,サブ…

松下幸之助『物の見方・考え方』

KINDLEで,この本を買ってみました。 この本にしたのは,松下氏の本を読んだことがなかったこと,値段が安かったこと,タイトルやカスタマーレビューに興味をひかれたからです。読んでいるときの感想は,筆者の自伝的な部分は興味深いものの,内容は,まあそ…

KINDLEで読書

今日は久々に日常雑記など。読書欲や読書記録欲が低下して早や4年がたとうとしています。状況はほとんど変わっていません。本は,月に数冊読めばいい方でしょうか。まったく読まない日の方が多いのはあんまり変わっていませんが,ときどき気が向いたら読ん…

『「やればできる!」の研究』

動機づけの研究者と言っていいのでしょうか,キャロル S.ドゥエックの一般向け書籍です。しばらく前に読み,その主張に感動したので,ぜひここに記録しておきたいと思ったのですが,どう書いていいかイメージが湧かず,しばらくほったらかしていました。しか…

『問い』を発する子どもの育成

読売onlineの「教育ルネサンス」で知ったのだが,秋田県では2011年度より,"『問い』を発する子どもの育成"を掲げているようです。その記事では,次のような実践が紹介されています。 「教科書を読んで『ハテナ』と思った所を教えて。その後、今日の課題を何…

平和教育における批判的思考

平和教育の分野で以前から批判的思考の必要性について言われている*1,というのを見つけて,それについて少し調べたので,メモ的に書いておきます。平和教育というと,1999年にハーグで平和アピール市民社会会議が行われ,「ハーグ・アジェンダ」なるものが…

ケーキ

妻の誕生日祝いにケーキを作った(誕生日は数日後だけど)。妻のリクエストでスポンジケーキを生クリームでデコレーションした。今回が初挑戦だったが,スポンジケーキを作るのも生クリームでデコレーションするのも,結構大変だということが分かった(ちな…

writer's blockからの脱却

ライターズブロックという言葉があるそうです。文章を書いていて書けなくなることです。今,論文を書いていて95%ぐらい終わったのですが,書くプロセスで,2回ほど大きなライターズブロックに見舞われました。幸いにしてそこから抜け出すことができたので…

質的分析(補足)

昨日書いたことですが,「常識」が,何を指しているのか良く分からなかったという意見がありました。これはひょっとしたら,「暗黙の前提」という表現をした方が理解がよかったかもしれません(あるいはスキーマ?)。言い方を変えれば,「それがあることに…

質的分析のワークショップ

週末,土曜日の丸1日と日曜日の午前を使って,SCATという質的分析のワークショップに参加してきました(開発者のページ)。講師は開発者である大谷先生。受けながら,いろいろなことを考えましたので,メモ風に記しておきたいと思います*1。私がこの手法に…

ライフスキルと批判的思考

とある論文*1を読んでいたら,ライフスキル教育に批判的思考が含められていることが書かれていました。次のくだりです。 世界保健機構(WHO)の精神保健局ライフスキルプロジェクトでは,「日常生活で生じるさまざまな問題や要求に対して,建設的かつ効果的…

二重過程理論から見た「思考」

かつて,「考えることってどういうことだろう?」ということを考え,「「考えること」についての覚書」という紀要論文を書きました*1。 そのとき,参考にしたいくつかの論考の中で,私なりにこれは大事だと思ったのは次の2つでした。 胸の中の二つあるいは…

二重過程理論から見た意識的思考

しつこく『心は遺伝子の論理で決まるのか』について書いているわけですが,本書が私にとって示唆的だった点の一つとして,意識的思考の位置づけが少しすっきりした,という点が挙げられます。たとえば『考える脳・考えない脳』では,意識的思考のことを「古…

二重過程理論の中の批判的思考(5)

『心は遺伝子の論理で決まるのか』をまとめてきました。これに基づいて,スタノヴィッチの二重過程理論に批判的思考(クリティカルシンキング)がどう位置づけられているのかについて,考えてみました。 おさらいをすると,二重過程理論とは,並列分散処理を…

二重過程理論の中の批判的思考(4)

『心は遺伝子の論理で決まるのか』の4回目(最後),今日は7章と8章です。 7章では,「分析的システムの,ロングリーシュ型の目的は,どのように発生するのか」(p.247)という問いが検討されています。念のために確認しておくと,ショートリーシュ型であ…

二重過程理論の中の批判的思考(3)

『心は遺伝子の論理で決まるのか』の3回目,今日は5章と6章です。 5章では,進化心理学者のなかには,分析的処理メカニズムの存在を否定する理論家も少なくないことから,それについて反論が述べられています。 たとえば「一般知能は,実験室と実生活双…