『問い』を発する子どもの育成

読売onlineの「教育ルネサンス」で知ったのだが,秋田県では2011年度より,"『問い』を発する子どもの育成"を掲げているようです。

その記事では,次のような実践が紹介されています。

「教科書を読んで『ハテナ』と思った所を教えて。その後、今日の課題を何にするか考えましょう」と、矢田部瑞穂教諭(46)の指示が飛ぶ。

 秋田県能代市立渟城(ていじょう)南小学校で2月上旬に行われた6年生の国語の授業。「太一がクエを殺さなかったのはなぜか」「クエを見たことをなぜ誰にも話さなかったのか」。子どもたちが疑問を口にした。
豊かな思考問う力から

へえ今もやっているのかな,と思って検索してみると,秋田県教育庁(義務教育課)の「主な施策・事業」のなかに,“「問い」を発する子ども”の育成に向けてというページがありました。といってもごく短いページで,リンクが2つあるだけのページなのですが。

一つ目のリンクは,平成23年7月に出された,方向性を示すPDF文書で,「グローバル時代に生きる子どもたちには、「質問力」を含め、積極的に発言する力の育成が不可欠」などとあります。

もう一つのリンクは,過去2年分の指導事例へのリンクページです。時間があれば中身をじっくり見てみたいところですが...

さらに検索すると,私も時々拝見している「すぷりんぐぶろぐ」(2011.08.02)で,秋田県の教員からみたこの施策について書かれています。こういうものってある時唐突に出されるものなんですね。

ちなみにすぷりんぐぶろぐをもう少し見てみると,質問力の今(2012.9.25)という記事もあり,次のように書かれています。

今その「質問力」はどうなっているのか。
 ネット検索をかけてみると、ほとんどがビジネス関連、わずかにその当時の流れで学校における学習活動等があるようだ。

うーん,私はここ数年,「質問」を中心に思考力育成を考えており,「質問力」をタイトルに冠した学会誌論文を1本,「問いのある教育」に関する紀要論文を1本書いているのですが(そのほかにも,本の1節に「問いとしてのクリシン」について書いたりしています),確かに書かれているように,質問力で検索しても,これらはなかなかひっかかって来ません。もう少し(質問力という語を前面に出して)発信していく必要があるのかも,と思いました。