何が批判的思考なのか
大学院在学中の現職の先生から,批判的思考の概念について質問メールをいただきました。
総合的な学習の時間においては、自ら課題を見出すことがもとめられます。問題の発見の際にも、いくつか可能性を考えたり、これが問題になるのか考えたりすることも大切なことではないかと考えています。そのように、問題を吟味することも批判的思考力と考えていいのでしょうか。
要するに,何が批判的思考で何が批判的思考ではないのか,という問いだと思います。これはときどき聞かれることなのですが,私は、「批判的思考」という何か特別な思考があるとは考えていません。どのような思考であれ、批判や吟味、疑問、反省などを通して思考が深められたとしたら、それは批判的思考と呼んで差し支えないと私は思います。
お尋ねのケースの場合は,「吟味」は入っているわけですから,そこで問うべきは,「その結果,思考が深まりそうか」ということかと思います(吟味や批判といっても,思考が深まるというよりも,単なる吟味のための吟味,批判のための批判になる場合もありえますので)。
メールでお答えしたのは以上ですが,付け加えますと,「何が批判的思考か」という問題は,「批判的思考をどのように測定するか」という問題と密接に関わりますので,次の2つの記事もみていただければ,と思います(2つとも基本的には同じようなことが書かれています)。
http://d.hatena.ne.jp/michita/20061016/1172646826
http://d.hatena.ne.jp/michita/20060330/1172648174