批判的思考とアーギュメント
ある研究者の方に,議論(アーギュメント)に関する論文の抜き刷りをいただきました。その中で,批判的思考について触れられていましたので,批判的思考とアーギュメントの関係について,私なりの考えをお送りしました。
批判的思考の位置づけについてですが,私は批判的思考を,不定形なものと考えています。アーギュメントが,論証にしても対話にしても,目に見える活動や生成物を対象としているのとは違い,どのような場面におけるどのような思考でも,そこに批判が重要な要素として位置づいており,それを通して思考が深められているのであれば,それが批判的思考なのだと考えています。そう考えると,アーギュメントとはそういう不定形な批判的思考の一つの現れ方,と言えるのではないかと私は思います。